ここに公開しようとしている一連の手紙をどのようにして入手したか、わたしにはそのいきさつを説明するつもりはない。

ここに公開しようとしている一連の手紙をどのようにして入手したか、わたしにはそのいきさつを説明するつもりはない。

『悪魔の手紙』　C.S.ルイス著　中村妙子訳　（平凡社：2006）


初出は1942年だが、この版は1959年の再版を底本としている。ルイスの描く悪魔は、とても巧妙で人間の弱さをよく心得ている。悪魔のささやきで恐ろしいのは、明らかな悪の道ではなく、一見して楽で心地よさそうな提案を、持ちかけてくるところだ。